食道、胃、十二指腸、小腸、大腸等から、肝臓、胆嚢、膵臓などを含む消化器全般の診療を行います。

当院における内視鏡の特色

最新の内視鏡システムであるOLYMPUS社CV290 EVISLUCERA(ELITE)を導入しています。(大学病院などで使用されているシステム)

上部消化管内視鏡検査(胃カメラについて)

経口内視鏡

  1. ハイビジョンタイプ(高画質)の内視鏡を使用しています。
  2. 拡大観察機能を備えた内視鏡を使用しています。
  3. NBI(狭帯域光:特殊光)搭載の内視鏡を使用しています。精度の高い診断が可能であり、微小癌(極めて小さな癌)も発見できます。
上部消化管用ビデオスコープ
上部消化管スコープは、挿入部の長さが主に1030mmで、食道から胃、十二指腸までを診ます。先端部は、正面にレンズが向いている直視型で、正面を観察するのに適しています。太さは、口から挿入する標準タイプで直径約10mm、鼻からも入れられる細径タイプで半分の約5mmです。
NBI(Narrow Band Imaging:狭帯域光観察)

がんなどの腫瘍は、細胞を増殖させるため、毛細血管を使ってエネルギーを集めます。血管がない場合は、自分で作ります。この現象は、「血管新生」と言われます。一方、狭い帯域の青い光、血管中のヘモグロビンに強く吸収される性質があります。NBIは専用の光学フィルタにより、光のスペクトラムを狭帯域化します。ヘモグロビンに強く吸収される波長で粘膜表面の毛細血管を浮かび上がらせることで、病変部を見つけ出します。通常光の内視鏡の「色素法」に似ていますが、NBIは光学的な手法であるため、粘膜の状態の影響を受けにくく、色素散布の手間も要りません。

経鼻内視鏡(胃カメラについて)

経鼻内視鏡

内視鏡の径(太さ)が経口内視鏡の約半分の細さであり、鼻から挿入するので舌を圧迫しません。これにより嘔吐反射(オエッとすること)が軽減され楽に検査ができます。また鼻からの挿入ですので検査中に医師と会話することも可能です。

ピロリ菌について

ヘリコバクター・ピロリ菌は胃癌を引きおこすことが知られています。ピロリ菌を調べる検査については、内視鏡検査の際に小さく組織を採取し調べる方法(顕鏡法、培養法、迅速ウレアーゼテスト)や、採血、呼気(息を吐く)、便などを調べる方法があります。迅速ウレアーゼテストに関してはその日のうちに結果を説明することができます。

下部消化管内視鏡検査(大腸カメラについて)

大腸内視鏡

  1. ハイビジョンタイプ(高画質)の内視鏡を使用しています。
  2. 拡大観察機能を備えた内視鏡を使用しています。
  3. PCFという通常より径が細い内視鏡を導入しています。径が細ければ挿入時の痛みが軽減できます。
  4. NBI(狭帯域光:特殊光)搭載の内視鏡を使用しています。精度の高い診断が可能であり、微小癌(極めて小さな癌)も発見できます。
大腸用ビデオスコープ

大腸用ビデオスコープは、成人で長さが1.5mに達する大腸に対応するため、標準で1330mm、長尺タイプが1680mmと上部消化管用より長いのが特徴です。先端部は直視型です。大腸への挿入性を確保するために、挿入部の硬さが硬度可変ダイアルで変えられるようになっています。直径も12mmと上部消化管に比べて少し太くなっています。

下部消化管内視鏡の挿入について

大腸カメラは痛い、辛いと思っている方もいますが痛みは挿入時に内視鏡で町が過度に引き伸ばされる時に起こります。つまり挿入時に腸を伸ばさないようにする為に当院では軸保持短縮法という方法で挿入いたします。 また受動彎曲機能付きの内視鏡を導入しているので痛みが軽減できます。更に通常は空気にて腸管を膨らませますが、当院ではCO2送気(UCR装置)にて腸管を膨らませることができるので、検査中及び検査後の腹満感を軽減し楽に検査が受けられます。以上を駆使し痛みのない検査を致します。

鎮静下内視鏡検査について

鎮静下内視鏡検査とは薬剤を使用し眠った状態(うとうとした状態)で検査をすることです。検査への不安が強い方や、過去に内視鏡検査でとても辛かった経験がある方は鎮静下で上部消化管内視鏡検査、下部消化管内視鏡検査をすることが可能です。ただし目が覚めた後に、ぼーっとすることがあるので、検査後2時間程度は休んで帰る必要があります。

食道表在がんの画像

20mm大の食道表在がん20mm大の食道表在がん
NBI(狭帯域光)による観察 NBI(狭帯域光)による観察
色素:ルゴール散布による観察 色素:ルゴール散布による観察

わずか1mmの食道前癌病変

NBI&拡大内視鏡にて診断

通常の観察 通常の観察
NBI 観察 NBI 観察
NBI & 中拡大 NBI & 中拡大
NBI & 強拡大 NBI & 強拡大

早期胃がんの内視鏡画像

15mm程度の発赤調粘膜隆起で発見した早期胃がん
がん部位の拡大NBI(狭帯域光)を使用した観察

早期大腸がんの内視鏡画像

上行結腸の50mm大の早期大腸がん
肛門近傍の30mm大の早期直腸がん